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2019年12月11日水曜日

冬場の金魚飼育(室内)の注意点&トリカラーオランダご紹介

こんばんは、店長の上野です。
寒い日が続きますが、金魚飼育に関して以下の相談内容が増えています。

・底でじっとして、ほとんど泳がない
・餌を以前より食べなくなった
・水が以前より汚れるようになった
・ひっくり返ってしまう(転覆病)

結論から書くと、これらの原因のほとんどは低水温です。順番に説明しましょう。今回は主に室内での飼育についてお話します。

底でじっとして、ほとんど泳がない
・餌を以前より食べなくなった
金魚はフナの改良品種ですから、日本の冬は無加温でも乗り切れます。ですが、たいていの生き物がそうであるように、寒い時期は活性が下がり、あまり動かなくなります。
具体的に書くと、水温が15度を下回ったあたりから餌食いが悪くなり、あまり泳がなくなります。そして、10度以下になるとほとんど泳がなくなり、5度を切ると冬眠に入ります。

・水が以前より汚れるようになった
これは上の二つと関連するのですが、寒くなってあまり餌を食べないのに、これまでと同じ量をあげてしまうと食べ残しが増えます。この食べ残しが水の汚れの原因になります。

・ひっくり返ってしまう(転覆病)
特に琉金やらんちう、ピンポンパールのような丸い体形の金魚に多いです。寒い時期は活性が下がり、消化能力も低下します。消化不良を起こすと、ひっくり返って起き上がれない、いわゆる転覆病になりやすくなります。丸い金魚は元々消化器官が弱いので、特になりやすいです。

解決策
・ヒーターを入れる
室内飼育限定の方法ですが、低水温が原因ならヒーターを入れてしまおう、という単純明快な解決策です。熱帯魚用の26度設定のオートヒーターでも特別問題はありませんが、金魚用に低めの水温設定のオートヒーターもあります。サーモスタット付きのもので温度設定してもいいでしょう。18~22度くらいが適温かと思います。




時間帯によって暖房のオンオフが行われる場所で飼育している場合も、ヒーターの導入をおすすめします。人間が寒暖差で風邪を引きやすくなるように、金魚も一日の間に水温が上下すると調子を崩し、白点病などの病気にもかかりやすくなります。
また、まだ若く体力のない小さい金魚や、琉金、らんちう、ピンポンパールなどの丸い金魚には特にヒーター使用をお勧めします。外国産のピンポンパールなんかは28~29度くらいの高水温で飼った方が調子が良いです。

・餌の量、回数を減らす
ヒーターを入れて加温する場合は今まで通り餌をあげていいのですが、加温せずに飼育する場合は活性の低下に合わせて餌の量、回数を減らしましょう。15度を下回るようなら、1日に1度で十分です。それよりさらに低くなる場合は、環境にもよるので一概には言えませんが、2~3日に一度、もしくはほとんどあげなくても大丈夫な場合もあります。いずれにせよ、金魚の様子を良く観察して、食べ切る量だけあげましょう。

・消化の良い餌をあげる
「消化の良い餌」というのは、具体的にいうと「脂質の少ない餌」です。人間が胃腸の調子が悪いときに油物を避けるのと一緒ですね。“育成”や“良消化”等とパッケージにあるものを選べばまず問題ありません。さらに気になる方はひっくり返して裏面の成分表示を見てみましょう。“脂質”や“粗脂肪”といった項目に、~%以上という表記があると思います。5%くらいまでならまずまず消化の良い餌といえるでしょう。












逆に避けた方が良いのは、“色揚げ”や“増体”、“肉瘤”用等の表記がある餌です。これらは脂質が6~7%以上であることが多いです。ヒーターの入った水槽か、暖かい時期に使いましょう。

・冬眠させる
日本での室内飼育では、金魚が冬眠するまで水温が低下することはまずないと思います。屋外飼育の場合、深めの容器を用意し、フィルターは回さず、餌を切って……等々方法はあるのですが、今回は割愛します。本格的に冬眠をさせる場合は青水の準備や餌の切り替え等、秋頃から準備しないといけないからです。また、上でも説明した通り、小さい金魚や丸い金魚、また、飼育に慣れていない場合は室内飼育でのヒーター管理が無難です。

可愛い金魚、冬場の対策をしっかりして、元気に飼ってあげましょう!

そして最後に、先週入荷したトリカラーオランダの写真をご紹介。






金魚は個性が大きく出るのも魅力の一つですね。私のおすすめは最後の2枚、まるでチョビ髭のような模様が入った子です。
是非、お気に入りの子を見つけてくださいね!

上野