こんにちは、店長の上野です。
“石組チャレンジ@アクアテイク-E”2021年4月の題材は黄虎石です。
10人目の挑戦者をご紹介します。
正面図
上から
お名前(匿名、ハンドルネーム可):たろう 様
挑戦者からのコメント:
「左の陰を大切に造りました。あとはフィーリングです。楽しい時間をありがとうございます」
☆講評、アドバイス(武江、上野、川島)
上野「今回が初挑戦、たろうさんです。久しぶりに挑戦者が二桁に達しましたね。さっそく講評に入りましょう」
武江「オーソドックスな石組ではないけど、だいたい3:2で左右対称にはなってないし、パッと見の印象は悪くないね」
川島「え、そうですか? 自分には左右対称に見えますけど……」
武江「そう? 左の石の方が大きいじゃない」
上野「あー……なんとなく、二人の意見が噛み合わない理由がわかる気がします。たしかに、社長がおっしゃる通り、石のボリューム自体は左側の方が大きいですね?」
川島「はい」
上野「ただ、今回のレイアウトは、左右で“陰陽”に分かれるんです。挑戦者のコメントにあるように、左側は陰。手前側に倒れ込むように置かれた石が影を落としています。それに対し、右側の石は奥に倒してあるので、光を浴びています」
武江「そうだね」
上野「言葉だけだとちょっとわかりにくいですかね。紙のテープを使って説明しましょう」
川島「わかりやすい!」
上野「さて、問題は陰と陽が交じり合う中心部分です。ここの処理が少し雑というか、大き目の石を2個、ただドスンと置いてしまっている。光が当たる“陽”側の置き方で」
武江「なるほどな。上野くんの言いたいことがわかってきたよ」
上野「つまり、社長は単純にボリュームを見て左右比3:2だと感じたのに対し、川島くんは陰陽の比率を意識して、左右対称に感じた、と。川島くん、そういうことでいいかな?」
川島「はい! その通りです!」
武江「本当か~?(笑)」
上野「社長、馬鹿にしちゃいけませんよ。川島くんのパッと見で良し悪しを判断するセンス、すごいですよ。……ただ、自分でそれを言語化するのがまだ苦手なのかな?」
川島「そうですねー、ちょっと苦手です。これから頑張ります!」
上野「話がそれてしまいましたね。講評に戻りましょう。川島くん、他に気になるところは?」
川島「社長が毎回言ってる“前面の底床はまっすぐに”っていうのはいいんですか?」
武江「今回はこれでいいんじゃないかな。はっきりとした意図が見えるから」
上野「パノラマ写真みたいにぐわっと広がりのある構図にしたいというのが、石の置き方からも明白ですからね」
武江「そういうこと。ただ漠然とラインがガタガタなのは良くないけど、今回は狙ってやってるからね。意図があるならOK」
上野「ただ、そうだとしてもちょっと残念な点が。右端が左端に比べて低いのに違和感があります。石自体は両側とも天井に届いているので、底床も同じように左右の高さを揃えた方が美しく見えると思うのですが……」
川島「左右対称にならないようにわざとやったんじゃないですか?」
上野「それが狙いなら、底床の一番薄い、低くなる部分を中心より右側にずらせばいいんだよ」
武江「おまえ、今回はずいぶん色々と言うなぁ。それならさ、まだ崩してないから、上野くんが良いと思うように手を入れて見なよ」
上野「そうですね。その方が写真に補助線を引くよりわかりやすいかもしれません。ちょっと失礼して……」
上野「底床は先ほど述べた通りにしました」
武江「うん、それだけでもずいぶん印象が変わるね」
上野「問題は陰陽の交じり合う部分。“メビウスの輪”みたいに、裏が表、表が裏になるように捻じれた形で石を繋げられたら面白いなぁと思ったのですが、流石に難しかったです。そこで、左右を切り離しました」
川島「完全に陰と陽がはっきりしましたね。これなら左右対称に見えないです」
武江「繋がってるより切り離した方がメリハリがつくし、悪くないんじゃないかな」
上野「今回の石組、たろうさんが大事にしたいのは左側の陰の部分ですから、そこが引き立つよう、私なりに考えて修正しました。もちろん、これが正解というわけではありませんよ!」
武江「石組に正解なんかないからね」
上野「自分のやりたいことを明確にして、ときに基本に立ち返り、ときにはあえて基本から外れて、石組に挑戦しましょう! ところで、今回の挑戦者のたろうさん、とても楽しそうに挑戦してくださったのが印象的でした。何の分野でも、楽しめる人は上達しますよね!」
川島「それは間違いないです!」
上野「それでは、最後に記念写真をご紹介します」
武江「良い笑顔! 次回もぜひ、楽しみながら挑戦してくださいね。たろうさん、ありがとうございました!
☆4月の石は黄虎石です。
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