今年も天野さんの命日がやってきた。
あっという間に亡くなってから、4年の月日が過ぎ去ってしまった。
普通なら、年月とともに記憶が薄れていくのだろうが、私にとってあの個性の強い特別
な存在だった天野さんは、薄れていくどころか、心の中の残像が大きくなっていく一方である。なんせ、知っている人はわかるだろうが、あの荒武者のような風貌と堂々とした立ち振る舞い。それでいて、繊細な心の持ち主だった。
レイアウトに関してもよく言われたものである。【大胆にして繊細であれ】と。最初はこの人、なに言ってんのか分かんない、と思ったりもしたが経験を重ねるごとに、なるほどそういうことかと納得できた。
奇しくも、世界水草レイアウトコンテストの結果が命日の1日前に届いた。
結果は162位という微妙な結果だった。
微妙という意味は、もし天野さんが存命ならば、何を言われるか分からないからである。
相当、ツッコミどころ満載であることは想像に難くない。
過去に言われたことを思いだそうと思ったが、思い出すも何も、心に突き刺さっていて
すぐにでも口に出せる。
よく言われたのが、流れが感じられない。それと、石がただ置いてあるだけで悠久の時を感じさせない。
そして、極めつけは「よくこのレイアウトでこんないい順位に入ったな」だって。
ちょっと腹が立って、でもお互い分かりあっているから楽しくて、自分にとっては最高の天野さんとの絡みであり、何物にも代えがたい思い出になっている。
もう一度でいいから、あのデカイ態度で「武江さん、またつまんないレイアウト作ったなぁ」と言ってくださいよ天野さん!
令和元年8月4日
(有)アクアテイク-E 代表取締役 武江 春治
2009年8月某日 新潟のNAギャラリーにて。こう見えて私の方が年上なんですよ!
2009年8月某日 新潟県内のカラオケ店にて。「武江さん、演歌を歌えなきゃいけないよ。演歌は日本の心だよ」といつも口癖のように言っていました。